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●名前は有名なのにみんな間違って理解している法則

メラビアンの法則」は見た目や口調が重要と思われがちだけど、実際は言葉が一致していない場合にどれが本当の感情を表しているかを試す実験なんだよ。誤解して広まってるから気をつけて!

ビジネスがらみで良く引き合いに出される「メラビアン
の法則」というのも、たいがい間違って引用されること
の多い法則です。
第一印象で相手の「表情」「口調」「話の内容」のうち、
どれが一番重要視されるかをメラビアンという人が実験
したところ、次のような結果が出ました。
 表情 55%
 口調 38%
 内容  7%
話の内容よりも、見た目や口調の方がよっぽど重要視さ
れます。3年ほど前にはメラビアンの法則を元にしたと
思われる「人は見た目が9割」という本まで出てベスト
セラーになっています。
人は見た目が9割(竹内一郎/新潮社新書)
 
しかし、これ全部嘘っぱちです。本当のメラビアンの法
則はこんな事など証明してはいません。
事実はこうです。
 
 
ある人が「表情」と「口調」と「言葉」とで表現してい
る感情が全部違っている場合に、周りの人は一体どれが
本当の感情を表現していると受けとるか、という実験だ
ったのです。
たとえば、上司が「良くやった」と言葉では褒めながら
も口調は無念さをにじませて、両目が吊り上がって眉毛
がヒクヒク震えていたら、この人は本当はどう思ってい
るのでしょうか?
まず「本気で褒めている」とは思わんでしょう。
 
 
あるいは学校でクラスメートの女の子が、頬を赤く染め
ながらちょっと照れたような口調で
「べ、別に好きで手伝ったわけじゃないんだからね!」
とか言った場合、本当に仕方なしに嫌々手伝ってくれた
と思うような鈍感な男はいないと思います。
ま、私が学生だった時にはそんな経験ありませんが。
 
 
健康診断の後でお医者さんがカルテを見ながら目を合わ
せようとせず、深刻そうな口調で「検査の結果は何も問
題ありません」と言って、信用できますか?
「まだ死にたくないです!」と縋り付きたくなります。
 
 
こんな実験で「表情」よりも「口調」よりも「言葉」を
重要視するという人が7%もいるのが驚きです。
とにかく、メラビアンの法則というのは、あくまでも
「表情」「口調」「言葉そのもの」が一致していない場
合に、果たしてどれが本当の感情を表現していると思う
かという実験です。
それなのに、誰がどこで何をどう間違えたのか、メラビ
アンの法則といえば
「実際に語られる言葉は7%の重要度しかありません」
「見た目や語り口の方がよっぽど大事なんですよ」
と見事に誤解曲解されて広まってしまいました。
この「誤解」を解消するどころか世間に広める事で飯の
種にしている人がきっとたくさんいるんでしょう。
この手の話はメラビアンの法則に限った事じゃないでし
ょうから、飯の種にされないようにご注意ください。
 
 
 
 
 
 
◆シンプルすぎる要約◆
本物のメラビアンの法則は「当たり前じゃん」と思って
しまうような内容です。はい。

2008年9月16日商売の考え方

Posted by 新谷貴司