地元密着なびメールマガジンはこちら

●哀れみを誘うだけで人を動かし続けるのは難しいです

酪農業界がピンチ!牛乳の消費量減少が原因で、ペットボトルや缶入りの飲み物が手軽に手に入るため。牛乳復権に関係者の努力やペットボトル化が検討されている。でも、牛乳を飲めば安い国産牛肉が食べられなくなる?酪農業界が努力しても効果的なのは、「お客様にメリットを納得してもらう」こと。

酪農業界がかなりピンチなのだそうです。
※牛乳が身体に良いとか悪いとかいう話は、今日の話題とは関係ないので脇に置いておきます。
要するに「牛乳の消費量が減っている」のが原因な訳ですが、何で減ってるのか?
もちろん、他のものを飲んでるからです。ペットボトル入りのお茶だとか野菜ジュース、炭酸飲料など、牛乳でない飲み物はいっぱいありますから。しかも、事実上紙パックしかない牛乳と違って、扱いやすいペットボトルや缶に入った飲み物は自動販売機やコンビニで手軽に手に入ります。
※ペットボトル入り牛乳は間もなく解禁になるそうです。
牛乳復権へ関係者必至の努力、ペットボトル化も検討へ
ペットボトルタイプの牛乳、今秋にも登場の可能性
で、夏にサッカーの試合を見に行った際に、
> 牛乳の消費量が減っているので近畿地方の酪農家は大変
> なんです。牛乳をもっと飲んでください。(要約)
というグッズをまいていたり、
京都新聞の広告欄に
> 牛乳の消費量が減ると乳牛の数も減って、安い国産牛肉
> が食べられなくなるぞ。それでもいいのか?(意訳)
という意見広告が載っていたり、
酪農業界も大変だなーとは思いますが、じゃあこの種の活動が牛乳の消費量アップにつながるかというと、たぶん何の役にも立ってないでしょう。役に立ってるとすれば、「うちらはちゃんと牛乳の消費量回復のために努力してますよ」という、業界団体の酪農家への意思表示の意味合いくらいでしょう。
理由は簡単でして「気の毒だから牛乳を買うか」なんて気持ちは続きませんから。いいとこ一週間でしょう。
あと、最近はやりの「フェア・トレード製品」。発展途上国の農民(漁民・労働者など)を搾取することなく、
正当な価格で取引した製品です。これも「第三世界の人民のために」なんて思って買う人はまあ長続きしません。当然です。「正当な料金を支払って買ってるんだから、安く買い叩かれた商品よりも明らかに高品質である」ことを期待しています。少なくとも私はそうです。何が悲しくて「高くて粗悪な商品を」買わなきゃいかんのですか。
つまり、買ってほしけりゃ買いたくなるようにしてくれ、ということです。
◆シンプルすぎる要約◆
お客様の哀れを誘っても一時的にしか客数は増えません。結局は「お客様にメリットを納得してもらう」のが一番。

2007年10月12日商売の考え方

Posted by 新谷貴司