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●今まで成功要因だったものが今の自分の足を引っ張る

食品偽装問題や製造業の衰退など、時代の変化を冷静に見つめる必要性を考察。自戒を込めて読んでみてください。

ここ1年だけでも食品がらみの偽装がバレて会社存亡の
危機に立つ例がいくつもありました。
・赤福
・不二家
・ミートホープ
・船場吉兆
・比内鶏
・飛騨牛
・一色産ウナギ
数年前に雪印乳業が「リサイクル牛乳」で廃業に追い込
まれたのも他人事のように、ずーっと偽装や使い回しな
どを続けていたのですから「こいつらアホか」と思いた
くなります。
しかし、本当にこれらの会社の社長は揃いも揃ってバカ
ばっかりだったのでしょうか? 下記ブログの記事が興
味深かったのでまずはご一読ください。
飛騨牛偽装問題から考える 偽装社長達はホントにバカなのか
・腕の見せ所は、「偽装」の技術
・自分だけを信じ人の言うことを聞かない
・恐怖で(社員を)コントロールする
これで会社を大きくしていった各社の社長が、時代が変
わった事に気付かずに同じ事を続けた挙げ句に、会社を
危機的状況(廃業するとか廃業寸前とか)に追い込んで
しまったということのようです。
 
 
戦後日本の製造業もそうでしょう。優秀で忠実な社員が
良い商品を安く大量に作って輸出しまくる事で、日本を
世界有数の経済大国に押し上げた訳です。
しかし時代は変わりました。
社員の人件費は世界有数の高額になり、
消費者の目が肥えて大量生産の商品は売れなくなり、
上がつかえている事もあって年功序列は崩壊し、
優秀で忠実な社員が安くて良い商品を大量生産して儲け
るという図式自体がぶっ潰れてしまいました。
 
 
国家や会社の単位だけでなく、一個人の場合だって似た
ようなものです。
良い学校を出て良い会社に入れば人生安泰なんて時代は
(そもそもあったのかという突っ込みはともかく)終わ
ったと言って良いかと思います。
会社の寿命が短くなっていますし、今の優良企業が何十
年後でも優良企業かというと、たぶん「No!」です。
あるいは自営業でやっていくにしても、昔なら新聞の折
込広告だけでお客さんがバンバン呼べたものを、今では
ホームページを作ったり、フリーペーパーに広告を出し
たりと、何やかんやと七面倒です。
駅前で人通りが多い商店街に出店して安泰だと思ってい
たら、近所にスーパーができ、国道沿いにショッピング
センターができ、商店街ごと寂れてしまうなんて、あり
すぎて新聞の記事にもなりません。
つまり、かつては自分の成功を後押ししてくれていた要
因が、時代が変わったせいで、後押しどころか足を引っ
張る要因になってしまう事なんて良くあります。
自分と周りを客観的に見る「冷静な目」と、過去の成功
要因を切り捨てられる「潔さ」とが必要なのでしょう。
…というのは簡単なんですが。自戒を込めて。
 
 
 
 
 
 
◆シンプルすぎる要約◆
「今までこれで上手く行っていた」というやり方が、こ
れからも上手く行くなんて保証はありませんし、すでに
今あなたの足を引っ張っているかもしれません。

2008年6月27日商売の考え方

Posted by 新谷貴司