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セールスで見込み客に胡散臭く思われない4つの工夫

悪徳勧誘電話に引っかからないためには、相手の名前を聞いたり、用件を明確にしたりすることが大切です。さらに、奥様に関連した高額商品を一気に売り込む手法には注意が必要です。

数日前に私の目の前に置いてある業務用の固定電話が鳴りました。「はて、誰からの電話かな?」と思って受話器を取ると、いきなり

「奥様はいらっしゃいますか?」

…いや、この電話は業務用だし、奥様を呼び出されても困るんですけどね。とりあえず「相手が誰なのか」聞いてみました。

「あんたは誰だ?」と聞いたつもりだったのですが、「奥様はいらっしゃいますか?」
と同じ言葉が返ってきました。

こちらも同じように、「どちらさまでしょうか?」と同じ言葉を返します。

ようやく相手の脳みそに言葉が届いたようで、「●●と申します」と会社名を名乗りました。

「ただいま、環境に優しい洗剤の無料サンプルをプレゼントいたしておりますが、奥様はいらっしゃいますでしょうか?」

意地でも「旦那ではなく」奥様に用があるらしい。

しかし、ここまでのやり取りだけで

  • 聞かれるまで自分が何者か名乗らない。
  • 相手が誰かも尋ねない。
  • いきなり「奥様」を呼び出す。

悪徳商法の予感がプンプンします。

まともな用件なら、自分(自社)の名前くらい普通に名乗るものです。それをしない時点で「私はまともではない」と公言しているようなものです。

「××様のお宅でしょうか?」と尋ねられないという事は、誰に掛けているかを向こうは分かってない、という事です。

そして、財布のヒモを握っているのは奥様である場合が多いですし、奥様(特に専業主婦)は情報弱者である確率も割と高いです。

ヒマなら話を適当に合わせて、最終的に何を売り付けに掛かるのかまでをネタにしてやるところですが、そこまでヒマを持て余しているわけでもないので、
「いりません」
と一刀両断して電話を切りました。

「妻は働きに出ていて私が主夫をやってるんですが」

と話を引き伸ばしても面白かったかも、とちょっと後悔。

その直後に「名乗った会社名」を検索したところ、重曹から作った洗剤をプレゼントする代わりに【30万から40万もする浄水器】を売り付けてくる素敵な会社でした。

さて、このうさん臭い勧誘電話をうさん臭く感じさせないようにするためには、一体何をどうすれば良かったと思われますか?

私が思うに、

  1. 社名と担当者名くらい名乗りましょう。ただし普通の方でも、うっかり名前を名乗らないというのはやってしまいがちです。
  2. 「●●様でいらっしゃいますか?」くらいは聞きましょう。市内局番ごとに電話番号総当りで掛けているのなら、「●●地区にお住まいの方にお電話いたしております」くらいの事は言うべきです。
  3. 奥様が相手でなくても、どういう用件で電話をしているかを話して、相手が内容に興味を持っているようなら、そのまま話を続ける方が良いかと。それから、
  4. まず無料の洗剤プレゼントはいいとしても、そこからいきなり「何十万もする浄水器」はハードルが高すぎます。というか、数千円の商品と数万円の商品の2段階くらいを間に挟めば、悪徳商法呼ばわりもされず、かえって信頼を高めてもらえるのに。

…でも、こういうやり方を(少なくとも2年以上)続けてるって事は、買う人がいて利益が上がってるんでしょうね。

※2020年追記:さすがに件の会社名で検索しても何も出て来なくなっていました。やりすぎて社長が逮捕されたか、店じまいして別の会社名になっているのか。

2007年8月29日商売の考え方

Posted by 新谷貴司