ソフトウェアは何もしないと動かなくなる
9月8~10日に開催された RubyKaigi 2022 という国際会議で、こんなスライドが紹介されました。
"ソフトウェアは何もしないと壊れる" #RubyKaigipic.twitter.com/3wF4mTsxu7
— 安川要平/Yohei Yasukawa (@yasulab) September 10, 2022
20世紀末ごろから
「何もしていないのにソフトが動かなくなった」
「直前や前の日に、何かしていないか思い出してみてください」
というやり取りが、パソコンを使っている人とサポートする人との間で繰り返されてきました。
私も何度もこの種のやり取りをした覚えがあります。
しかし、私たちを取りまく環境は大きく変わりました。
今や、自分で何もしなくても、様々なソフトが勝手に更新されます。
- パソコンやスマホのOS(WindowsやAndroid、iOSなど)
- パソコンやスマホのブラウザ(ChromeやEdge、Safariなど)
- レンタルサーバーのPHPやMySQL、Perlなど
- サーバーに設置しているWordPress本体やプラグイン(追加機能)
このように様々なソフト(OSやアプリなど)が自動更新されるため、しばしばトラブルが起こります。
私が実際にご相談を受けたトラブルをいくつか紹介します。
10年動いていた Movable Type5 が動かなくなりました
「10年ほど前に Movable Type5 で作ったホームページに、久し振りにアクセスしたら何も表示されない」というご依頼がありました。
調べてみたところ、サーバー側でPerlというプログラム言語のバージョンアップが行なわれたのが原因でした。
最新版のMovable Typeなら動くようですが、10年前と違って営利目的には有料版しか利用できません。
仕方がないので、すべての記事を WordPress に引っ越すことにいたしました。
サーバーのリニューアルでWordPressの管理画面が表示されなくなる
WordPressで作ったホームページは表示されるのに、管理画面はログイン画面すら表示されません。
「WordPressのバージョンが古いのではないか」と調べると、バージョンが 3.6 でした(※2022年9月30日の時点で最新バージョンは 6.0.2 です)。
こちらも、サーバーのリニューアルが行なわれて、その際に古いバージョンのPHPというプログラム言語が使えなくなったのが原因でした。
古いWordPressを最新版に差し替える事で対処しました。
MySQLのアップデート後にMovable Type 5 にログインできない
「ホームページを更新するために Movable Type の管理画面にアクセスすると、
Connection error: Connection using old (pre-4.1.1) authentication protocol refused (client option 'secure_auth' enabled)
というエラーメッセージだけが表示されています。どうしたものでしょうか?」とのお問い合わせがありました。
こういう時は、まず表示されているエラーメッセージで検索します。
すると、MySQLというデータベースのパスワード形式が新しいものに変わって、古いままでは受け付けてくれないのが原因とのこと。
サーバーの管理画面でデータベースのパスワードを設定し直せば良いようです。
さっそく、レンタルサーバーの管理画面でパスワードの設定をし直して解決しました。
サーバーのPHP言語を新しくしたらWordPressが動かなくなった
WordPress管理画面で「サーバーのPHP言語が古すぎる」という警告が出たので最新版にしたら、WordPressが動かなくなった事例です。
WordPressの管理画面も表示されないので、長年更新されていないプラグイン(機能を追加するプログラム)をサーバー上から削除してみます。
この時は、「CKEditor」という古いプラグインを削除したら、ホームページも管理画面も表示されるようになりました。
ホームページビルダーでページを開くと途中で固まる
Googleアクセス解析タグを貼り付けてもらったページをホームページビルダーで開くと、アクセス解析タグのところで固まってしまいました。
その先に進まず、ページの表示や編集が一切できなくなったので対処法はないかと尋ねられました。
昔のホームページビルダーは「https:// 」で始まるURLに対応していません。
そこで、外部ファイルを一切読み込まないよう設定していただいて解決しました。
このように、ご自身が使っておられるソフトが変わっていなくても、周りの環境が変わったために動かなくなるという事例は珍しくありません。
お使いのソフトをバージョンアップできる場合は、最新版にバージョンアップすべきです。
たとえば、WordPress本体やプラグインの場合は、管理画面で数回クリックすれば終わりですので、欠かさずバージョンアップしてください。
WindowsやAndroid、iOSのアップデートも、寝る前などパソコンやスマホを使わない時間を利用すれば、ストレスなく行えます。
(※仕事中に Windows Update をウッカリ始めてしまって、数時間潰された経験があります)
それ以外のソフトも、なるべく最新のものにしておきましょう。
もし、WordPress本体やプラグイン、あるいはサーバーのMySQLやPHP言語のアップデートを、自力で行なうのは不安だという場合は、作業代行を承ります。
また、サーバーの更新でMovable Typeが動かなくなった場合は、WordPressへの移行を強くオススメいたします。
外観などをそのまま移行する場合や、全面リニューアルを行なう場合など、ご要望に応じて料金が変わります。
恐れいりますが、下記フォーム・LINE公式アカウントからご相談ください。